導光
気付けばあっという間に
50分の前半授業は終わり
休憩時間になっていた。
はぁ、
廊下の隅で溜め息をつく。
私はいつも休憩時間になると
廊下に出て一人息をつく。
教室にいたらみんなの
くだらない話に頷いて
合わせていなきゃ駄目。
そんなの心が休まらない。
「こんな廊下出てきて
一人で何してるん?」
完全に気を抜いていたせいで
気配に全く気付かなかった。
中岡先生がすぐ目の前にいた。
「何って・・・・・・。
見ての通り休憩ですよ。」
「そっか、そうやんな。
後半始めるし教室戻るで。」
なによ。
びっくりしたじゃない。
何故か私の弱い心のうちを
見透かされたような気がした。