光の魔法を君に
「もうすぐよ。
夢羽?どうしたの?」
カタカタと小刻みに震えるあたしを安心させるように背中をさすってくれる蘭。
「蘭・・・」
不安があたしを支配して動けない。
不安と言うよりも恐怖に近い。
いや、まぎれもなく恐怖があたしを支配している。
「暗いのに明るいなんて変な感覚よね。」
空を見上げて蘭が言う。
確かに。
太陽と月が重なるには、空に2つの“光”が存在していないといけない。
右には太陽。左には月。
奇妙な光景だ。