もう会えない君。


駅前に10時集合の予定だったんだけど…今の時刻は9時20分。


早めに来てしまった私は時間を潰す方法を考えていた。
幼い頃から時間にはいつも余裕を持って行動する派だった私は待つ側になる事の方が多かった。


読み掛けの本も部屋に置いてきてしまった。
仕方なく、ipodでお気に入りの曲を聴いて待つ事にした。


どの曲を聴こうかと選曲していると誰かが私の前で立ち止まった。


だけど私は顔を上げなかった。
靴を見て女の人だと判断したから。


きっと、この人も待ち合わせしてるんだろうな。
…なんて呑気な事を考えていた。


でも私の予想は見事に外れた。


目の前に居る女の人が私の肩に触れた衝動で私は顔を上げた。


あ…この人って……。


「初めまして、隼の幼馴染の由香里です」
ペコっと頭を下げて可愛らしく微笑む彼女に私も慌てて頭を下げる。


「誰かと待ち合わせ?」
笑顔で問い掛けてきた彼女に私はこくんと頷いた。
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