もう会えない君。
バタンと勢いよく閉めた扉に寄り掛かりながら溜息を吐いた。
真っ暗な部屋を月明かりが照らす。
蒸し暑い…というよりは生温い空気が漂う部屋の奥へと進み、エアコンのスイッチを入れた。
明かりを灯して私はその場に座り込んだ。
なんとも言えない程の疲労感に襲われた。
フローリングの床はやけに冷たい。ひんやりする。
そう感じるのは心が冷えてるからなのかもしれない。
耳元で言われた言葉が離れず、頭の中で響く。
――“明日、楽しみだね”という由香里さんの言葉。
何が楽しみなのかが分からない。
それに私は元から行く気もなかったのに…。
もはや誤解までされてしまってる以上、行かなければ不思議に思われてしまうだろう。
隼は完全に誤解してる。
それは他の誰でもなく、由香里さんの言葉だからなのかもしれないけど信じ切っている。
面倒だ。
人間関係とは面倒だ。
私は臆病になり過ぎてたんだ。
自分に正直に生きる事が出来たら…どれだけ幸せだろうか。
誰にでも素で接する事が出来たら私は間違った道を歩む事はないだろう。
憂鬱な気持ちを抱いたまま、私はソファに身を預けて眠りに就いた。