もう会えない君。


軽快な音と共に開いた扉。
私は寄り掛かっていた体を前進させた。


外に出ると少しだけ人の存在を感じる事が出来た。
早朝でも出勤する人は出勤する為に駅に向かう。
だから寂しさもコンビニに近付くにつれて減っていった。


「いらっしゃいませ~」
若干、眠そうに声を振り絞らせる店員の横を通り過ぎて向かったのはパン売り場。


…早朝だからといってパンの入荷がまだ、という事はないようで既に種類豊富の品は並べられていた。
その中には食パンも含まれていたので私は迷う事なく、食パンを籠の中に入れた。
菓子パンが多く並べられている陳列棚からメロンパンとあんぱん、それから新作らしい黄桃クリームパンを籠に放り込んだ。


それから何となく、お菓子売り場に行ってスナック菓子やら何やらを適当に籠に入れてレジで会計を済ませた私は店員の「ありがとうございました」という言葉を背中で受け取りながらマンションへと戻った。


途中でロールパンを買えばよかったと後悔したけれど食パンでもいいかと終始、諦めた。


滅多に菓子パンを食べない私だけどさすがに昨日、夕飯を食べていない所為か、菓子パンを無性に食べたくなった。
一個でいいのに余分に買ってしまったのをマンションに着いた頃、後悔し始めたけれどあっても無駄ではないとそれも終始、諦めた。


部屋の中に入り、冷蔵庫の中から牛乳を取り出した。
そして袋の中から適当に菓子パンを選んでソファの上に座った。


グラスに注いだ牛乳を一口含んで口内を潤した。
袋の中から適当に取り出したメロンパンの封を開けてパクッと一口食べた。


やっぱりメロンパンは美味しい。
菓子パンの中で私が好きなパン、ベスト10に入るくらいだ。
< 173 / 321 >

この作品をシェア

pagetop