もう会えない君。
何分待っても由香里さんは来ない。
もう10時30分になろうとしているのに由香里さんは来ない。
私が時間を間違えたのかと何度も考えてみたけれど間違ってはいないようだ。
雨は強くなって大雨に変わった。
小雨だったのに大粒の雨に変わった。
その所為で私は最悪な程にびしょ濡れ状態。
もはや待つ気力も失せてしまった私は近くに落ちていた缶を思いっ切り蹴飛ばしてマンションへと走った。
約束なんて守るもんじゃない。
ましてや親しくもない人となんかの約束を守ろうとするもんじゃない。
単なる時間の無駄に過ぎないという事がよく分かった。
最悪。
本当に最悪。
誘っといて何なの?
携帯電話の番号を交換しなかった所為で連絡手段がなくなったのは私にも責任はあるだろうけど誘った張本人がすっぽかすって何?
私は苛立ちを抑えながらエレベーターのボタンを強く叩き押した。
扉が閉まり、静寂仕切った室内に独りきり。
切ないという気持ちと苛立ちが交互に入り混じる。
本当に今日はツイてない。
良い事なんて一つもなかった。
もしかしたら、空はそれを教えてくれていたのかもしれない。
そう思った頃には既に遅過ぎたのだけれど。