もう会えない君。
恐らく、ファミレスには“あの人達”が居る。
だから悠は敢えて避けているのだろう。
校門前で話してるのを私が見てしまえば悲しむと思ったから移動したのだろう。
隼だったら有り得ない話ではない。
むしろ、隼だからこそ有り得る話なのかもしれない。
繁華街に行く為にはファミレスを通る場合がある。
近道で行けば、ファミレス前を通る羽目になる。
悠はそれを思い出したから駅前に変更したんだと思う。
「駅前のクレープ屋に行こう!」
「………」
「凛、クレープ好きだよな!?」
「………」
「イチゴクレープが好きだよな!」
「………」
「……凛ちゃん、」
「………?」
「期間限定でダブルイチゴクレープが出てるのを知ってるかい?」
「なんですと!?」
「あ、食い付いた」
「ダブルイチゴクレープ!?」
「そうだ!クレープ生地もイチゴ風味に仕上げてるらしい!」
「それは誠か!?」
「誠だ!情報収集してある!」
「悠くん、」
「なんだね?凛ちゃん」
「駅前にダッシュで向かおう」
「……え」
「嫌ならファミレスに直行する」
「そ、それだけは駄目だ!ダッシュだな!?いいぞ!暑苦しいけど!!」