もう会えない君。


しばらくして戻って来た悠から期間限定のダブルイチゴクレープを受け取って食べながら雑談した。


「悠はなんでそんなに面白いの?」

「え?天才だから?」

「………」

「すみません、冗談です」

「…ぶっ」

「ちょ!凛!生クリーム飛ばすな!」

「だって言い方が面白いんだもん!」

「だからって生クリームを…」

「笑わせないで下さい」

「笑わないで下さい」

「好きで笑ってません」

「好きで笑わせてません」

「……馬鹿」

「……馬鹿です」

「もう真似しないでよ~!」

「はいはい!」

「………」

「あのさ、凛?」

「…何?」

「隼の事なんだけど」

「うん?」

「何があってもあいつを信じてやってね」

「いきなり何!?」

「あ、いや、別に?ただ信じてやってほしいから」

「信じてるけど?」

「んー…ならいいんだけど」

この時、言った悠の言葉をあまり深く考えてなかった私は馬鹿だ。
この言葉の本当の意味を知るのはまだ先の話なんだけれど。
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