もう会えない君。
夏とは違って日が沈むのが早くなり始めた今日この頃。
18時を過ぎても茜色だった空はすぐに暗くなって夜を知らせる。
冬に近付くにつれて日が昇るのも沈むのも変わる。
だから街は街灯で輝きを放つ。
住宅地には明かりが灯され、街は18時を過ぎると輝きを増す。
家に帰れば、家族が出迎えてくれて。
扉を開ければ、暖かな家庭があって。
それは私の理想で…現実は真逆だ…。
最近になって変化を感じる。
夜になるのが早くなったと感じる他に、また別の変化を感じる。
時間とか、明かりとか、そういうものじゃなくて。
人間関係に変化が出てると思うのは私だけなのかな。
隼とは会話する事が減った。
放課後になると隼は私と悠に手を振って帰る。
ホームルームに出ない事もしばしば。
いつも時間を気にしているように見えた。
学校に居ても、一緒に居る時間が減った。
だけど隼の代わりに悠がいつも私の傍に居てくれて…私は隼に嫌われてしまったのかな。
理由を聞いても教えてくれない。
バイトをしてるのか聞いたけど違うって言われた。
あの日以来…――――由香里さんが学校に来て以来、隼は変わってしまった。
会えない時間が増えた。
隣に住んでるのに会えない。
距離を感じてしまうようになった。
学校に行く時もいつもの場所に隼は居ない。
帰りも一緒に帰る事は徐々に減り、いつも悠と二人きり。