もう会えない君。


なんとか、ギリギリ間に合った。
教室に入ると隼と悠は女の子に囲まれて忙しそうだった。


隼は私に気が付くと女の子の間を掻き分けて朝一番の挨拶をくれた。


「おはよう」
柔らかく微笑む隼に私も笑顔で挨拶を返した。


…だけど女の子からの嫌な視線が突き刺さり、私はすぐに自分の席へと移動した。


私が隼から離れると隼の周りにはたちまち女の子の群れが出来ていた。


席に着き、ふと横に目をやるとこちらも負けていなかった。


悠の所には別のクラスからも大勢の女の子が来ていて隼と同じくらいの群れが出来ていた。


二人の人気っぷりにはさすがの私も驚いた。


隼はどの女の子にも平等に話すのに悠は違った。


質問が飛び交う中で音楽を聴いていた。


…昨日は私と話してくれたのに。
疑問に思う事がある。
なぜ悠は私と話してくれるのに他の女の子とは話さないのだろう?
私が隣だから話してくれてるだけなのかな。
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