もう会えない君。
そんな事を考えているとチャイムが鳴った。
チャイムが鳴ると悠の周りに居た女の子達は自分達のクラスへと肩を落としながら戻って行った。
悠と会話出来なかった事がよっぽどショックだったのだろう。
女の子が居なくなったと分かった途端、悠は耳からイヤホンを外した。
「凛、おはよう」
…そして私に挨拶をくれた。
一瞬だけ驚いたけど私は笑顔で悠に挨拶を返した。
「おはよう」
すると悠は私に微笑んで頬杖を突いた。
「な、何?」
「別に~?」
悠は明らかに楽しんでいるように悪戯な笑みを見せた。
さっきの女の子には笑顔すら見せなかったのに…。
私は首を傾げて悠を見つめた。
どうして悠は他の女の子と会話しないの?
目で訴えかけるようにして見つめてみたけど悠に届く事はなかった。
「俺の顔に何か付いてる?」
…誤解をさせてしまっていたようだ。