もう会えない君。
「人を悪く言うのはどうかと思うけど?」
先に言葉を発したのは悠…――――ではなくて意外な人物だった。
声のした方に視線が集中する。
入口の前で悠と同じように冷たい視線を女の子達に送る一人の男の子。
「えっ…はや、隼くん!?」
それは紛れもなく、隼の姿だった。
先程まで飛び交っていた言葉の山が一気に止んだ。
その所為か、物音一つするだけで廊下に虚しく響いた。
隼は…私の事を庇ってくれたのだろうか?
それともこれは偶然が重なっただけの事なのだろうか?
「人が誰と付き合おうがどうだっていいだろ?いちいち口出しすんなよ」
半分キレ気味の隼に女の子達の表情が凍りつく。
いつもは笑顔で優しい隼。
そんな隼が眉間にしわを寄せている。
…まだ出会って間もないのだけれど隼は本当に優しい。
だけど今の隼はどちらかというと怖い。
でも、本当の隼はきっと優しいと思う。
今は怒ってるから怖く感じるだけで普段の隼は本当に優しいし、何より笑顔がよく似合う。