もう会えない君。


「だって…納得いかないんだもんっ!」
そう言ったのは私にブスと言った女の子だった。


「何が?」
隼は面倒臭そうに女の子だけを冷たい視線で捕えた。


目を泳がせ、何処を見ればいいのか分からなくなった女の子は顔を俯かせて、こう言った。


「…なんで舞が駄目でこいつなのよ」
彼女が口にした“舞”とは恐らく、悠を呼び出した子の名前だろう。


正直、ここで“彼女のフリをしてるだけ”と言う事が出来たら…どれだけ楽になれるだろう?
なんて考える私はおかしいですか?
確かに私はブスだし、なんの取り柄もないし、悠と釣り合ってもいないし、本当の彼女でもない。


だけど彼女達はそれを知らないから真剣に突っ掛って来るのだろう。


私が悠の彼女じゃないと知れば、怒りに満ちた表情は笑顔に変わる事だろう。


人間とは嫉妬深い生き物だ。
そして人間とは欲深い生き物だ。


私は改めて実感した。


人間という名の恐ろしさを。
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