空と海が交わるとき
私は咄嗟に叫んでいた。
「皆間違ってる!蒼我君が…一体私達に何したって言うの!?こんなの…国王様達は望んでない!!」
いきなり叫んだせいで息が乱れる。
伝わってほしい
その思いが溢れていた。
「けど、その国王様を殺したのは…海の民じゃねぇか!」
誰かがそう叫んだ。
「そうだよ!信じたってソイツ等はどうせ裏切るんじゃない!」
「国王様が殺されて…湊さんがどれだけ悲しんだか…莉子ちゃんなら分かるでしょ?」
瞬間浮かぶ、あの日の湊の姿
分かってる…まだ湊は、国王様の死を乗り越えてない
けど、湊は必死で…
「違う…湊は…。」
「いいから、渡しなさい!!」
皆が一斉に私達に物を投げてきた。
「危ない!!」
私は蒼我君を抱き締めた。