ゼロクエスト ~第2部 異なる者
(駄目だ、間に合わない!!)
術文を唱えている時間がなかった。
私はその衝撃に少しでも耐えるべく、無駄なこととは分かっていたがアレックスの身体に必死でしがみついていた。
案の定、間もなくそれが全身に伝わってくる。
だが。
私はそっと目を開け、上を見上げた。
紋様が見える。
水の紋様が私たちを包んでいるのだ。
「そっか、精霊の加護」
アレックスの特殊能力が、彼を中心に発動していたのだ。
上空から落ちてくる黒い物体は紋様に弾かれるとそのまま地面へ落ち、爆音とともに穴を空けていた。
精霊の加護が発動しているとすれば、あれは上空で戦っている魔物の術である。恐らくルティナが彼らの攻撃を防ぎ、その流れ弾が真下にいる私たちに落ちてきたのだろう。
精霊の加護は魔物の術であれば、無条件で防いでくれるようなのだ。私たちも彼の側にいたので助かったのである。
だがここで安心はできなかった。
落ちてくるのは魔物の術だけではないからだ。
壊れた建物の残骸や、或いはルティナの術攻撃も同様に落ちてくる可能性があるのだ。
特にルティナの術攻撃だった場合には、アレックスの命にまで影響を及ぼしかねない。そうなる前に一刻も早く、この場を離れた方がいいだろう。
術文を唱えている時間がなかった。
私はその衝撃に少しでも耐えるべく、無駄なこととは分かっていたがアレックスの身体に必死でしがみついていた。
案の定、間もなくそれが全身に伝わってくる。
だが。
私はそっと目を開け、上を見上げた。
紋様が見える。
水の紋様が私たちを包んでいるのだ。
「そっか、精霊の加護」
アレックスの特殊能力が、彼を中心に発動していたのだ。
上空から落ちてくる黒い物体は紋様に弾かれるとそのまま地面へ落ち、爆音とともに穴を空けていた。
精霊の加護が発動しているとすれば、あれは上空で戦っている魔物の術である。恐らくルティナが彼らの攻撃を防ぎ、その流れ弾が真下にいる私たちに落ちてきたのだろう。
精霊の加護は魔物の術であれば、無条件で防いでくれるようなのだ。私たちも彼の側にいたので助かったのである。
だがここで安心はできなかった。
落ちてくるのは魔物の術だけではないからだ。
壊れた建物の残骸や、或いはルティナの術攻撃も同様に落ちてくる可能性があるのだ。
特にルティナの術攻撃だった場合には、アレックスの命にまで影響を及ぼしかねない。そうなる前に一刻も早く、この場を離れた方がいいだろう。