プ リ ン ス
俺は仕方なく桜井に視線を合わせ、桜井の頭を撫で撫でした。




「えッ///」


『?』




そしたら桜井が顔を赤くし始めてた。




撫でただけで照れるって……
こいつの頭は大丈夫か?
匠の病院で見てもらった方が……。




羽藍は真剣に恭の頭の中を心配していた。








教室の端の方では、女子が固まって羽藍の方を見ていた。


「プリンスにラブレターよ!!」

「抜け駆けしようとしてるのは誰よ!?」

「とりあえず休み時間か、放課後にプリンスについて行けばわかるわね。」

「絶対に許さないんだから……。」




女子達の言葉は、周りの喧騒に消えていった。









放課後


俺はHRを終えた後、鞄を持って呼ばれた所へ行くことにした。




校舎裏にはまだ誰もいなく、俺は柱に寄り掛かった。




鞄から女の子からもらった手紙を取り出した。




多分告白だろうな……。
なんて断ろう。




そう思っていると…




「あの……。」


ひょこっと小さな女の子が顔を出してきて、恐る恐る俺に近付いてきた。




「えと……」


女の子は黒髪ロングで、清楚な感じ。
ネクタイは黒。




『手紙をくれた根本加奈さん?』


「あ、はい……。」


女の子は緊張してるのか、縮こまって顔を上げない。




『話って?』


「………ああああのッ」


顔を上げながら吃る女の子。




「宮内先輩!!好きです!!」


『……ありがとう。』


「付き合ってくだ『それはできない。』……え……。」


間髪入れずに答えたら、女の子は一瞬戸惑った瞳を見せた。
< 129 / 131 >

この作品をシェア

pagetop