はぐれ雲。
リサを見つけるのに、そんなに時間はかからなかった。

「亮二さん、俺が行きます。行ってあいつと話をつけてきます」

直人が進み出る。

「いや、俺が直接会って話す」

亮二は上着に袖を通しながら、浩介に車を出すように目配せした。

「リサのことです。亮二さんを見ると、かえって逆上しかねません」

それでも直人は譲らず、亮二のその手を止めて言った。

その言葉に亮二は浩介を見る。

「おまえはどう思う」

「俺も、直人と同意見です。まず俺たちに任せてもらえませんか」

彼は少し考えると、
「わかった、行け。何かあったらすぐに連絡しろ」そう指示した。



大通りから外れた小さなビルの地下にある小さなバー。

直人と浩介は静かに薄暗い階段を降りていった。

扉を開けると、カウンターの奥で女が一人うなだれていた。

その他にちらほらと数人の客もいる。

彼らに迷惑にならないよう、そっと背後から女の名を呼んだ。

「リサ」

直人がその肩に手を置いたが、素知らぬ顔で酒を飲み続ける。


「おいっ」

浩介が隣に座り、彼女からグラスを取り上げた。

「なにすんのよ!」

途端にリサは食って掛かってきた。

「落ち着けって」

他の客の目を気にしながら、直人がなだめる。




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