はぐれ雲。
額に汗がにじむ。
石ははねるように水面を駆けていく。
「…8、9、10!おい、見たか?10回いっただろ?」
「えー?今のは9回じゃない?」
「は?おまえちゃんと見てたのかよ!」
「そんなにムキにならなくてもいいじゃない。じゃあ、もう一回やってみせて」
「ふざけんなよ…ったくよぉ」
そう言いながらも、亮二はまた石を拾った。
「目ん玉、ひんむいて数えろよな」
石がしぶきを上げながら飛んでいく。
「…3、4、5回…5回ね!ちゃんと目ん玉ひんむいて、数えたわよ」
「るせぇな、もう一回」
「まだやるの?」
「当たり前だろ、ちゃんと見とけよ」
「この辺の石が、全部なくなっちゃうわよ」と博子が笑う。
「おぉ、望むところだ」
子どものような笑顔と声が弾ける。
暮れゆく光の中で、二人のシルエットがぼんやりと浮かび上がった。