はぐれ雲。
「リサがパクられました!」
直人が事務所に入ってくるなり、そう言った。
亮二が思わず立ち上がる。
「どういうことだ」
肩で息をしながら、直人は続けた。
「AGEHAのホステスとは別に女をかき集めて、売春させていたようです」
「なんだと?」
「おい、亮二」
林が背後から無機質な声色で呼ぶ。
「おまえの指示か」
「……」
「亮二さんは何も知らなかったんです、本当っすよ。リサが勝手に!」
浩介が必死に訴えた。
「どうなんだ、亮二」
「自分の監督不行き届きです。申し訳ありません。組には、決して迷惑はかけません」
振り返った亮二は、憎たらしいほど落ち着き払っていた。
「信じていいのか。もしここに家宅捜索が入ってみろ。おまえもただじゃおかないぜ」
「そうはさせません。俺が売春に関わっている証拠もありません。AGEHAの名義は俺ですが、経営の一切をリサに任せると明記した契約書を弁護士を介して交わしています。
事情は聞かれるでしょうが、それ以上警察も動けないはずです」
「本当だろうな」
「はい、まかせてください」
亮二は、言い切る。
林は舌打ちをすると、彼から目をそらせた。
「え!リサ…さんが?なんでそんなこと」
うなだれる前田に、レンは身を乗り出した。
「なんでだよ?」
「決まってるじゃないか、あの新明亮二がリサにやらせたんだ。なのに、捕まったのは、リサだけなんだ」
「そんなのおかしいだろ!亮二だってすぐにパクられるはずだ」
「そうだろうか。あの男はなかなか手ごわいと聞く」
「大丈夫だよ。警察もバカじゃない。亮二もすぐに捕まる」
何の根拠もなかった。
ただ、自分にそう言い聞かせているだけだった。
「城田くん」
前田は目に涙を浮かべ、レンの手を取った。
「どうしていいのか、わからないんだ」
「…だ、大丈夫、うん、大丈夫。
俺だって男だ、なんとかしてみせる」
レンの背中には冷たい汗が何筋も流れた。
<なんとか…できるはず…ない>
直人が事務所に入ってくるなり、そう言った。
亮二が思わず立ち上がる。
「どういうことだ」
肩で息をしながら、直人は続けた。
「AGEHAのホステスとは別に女をかき集めて、売春させていたようです」
「なんだと?」
「おい、亮二」
林が背後から無機質な声色で呼ぶ。
「おまえの指示か」
「……」
「亮二さんは何も知らなかったんです、本当っすよ。リサが勝手に!」
浩介が必死に訴えた。
「どうなんだ、亮二」
「自分の監督不行き届きです。申し訳ありません。組には、決して迷惑はかけません」
振り返った亮二は、憎たらしいほど落ち着き払っていた。
「信じていいのか。もしここに家宅捜索が入ってみろ。おまえもただじゃおかないぜ」
「そうはさせません。俺が売春に関わっている証拠もありません。AGEHAの名義は俺ですが、経営の一切をリサに任せると明記した契約書を弁護士を介して交わしています。
事情は聞かれるでしょうが、それ以上警察も動けないはずです」
「本当だろうな」
「はい、まかせてください」
亮二は、言い切る。
林は舌打ちをすると、彼から目をそらせた。
「え!リサ…さんが?なんでそんなこと」
うなだれる前田に、レンは身を乗り出した。
「なんでだよ?」
「決まってるじゃないか、あの新明亮二がリサにやらせたんだ。なのに、捕まったのは、リサだけなんだ」
「そんなのおかしいだろ!亮二だってすぐにパクられるはずだ」
「そうだろうか。あの男はなかなか手ごわいと聞く」
「大丈夫だよ。警察もバカじゃない。亮二もすぐに捕まる」
何の根拠もなかった。
ただ、自分にそう言い聞かせているだけだった。
「城田くん」
前田は目に涙を浮かべ、レンの手を取った。
「どうしていいのか、わからないんだ」
「…だ、大丈夫、うん、大丈夫。
俺だって男だ、なんとかしてみせる」
レンの背中には冷たい汗が何筋も流れた。
<なんとか…できるはず…ない>