はぐれ雲。
レンは机を叩くと、勢いよく立ち上がった。
「嘘だろ!嘘に決まってる!」
唾を飛ばしながら、彼は叫ぶ。
「言ったんだよ、あのおっさん!自分はリサの叔父さんなんだって!」
桜井は飛んでくる唾にやや顔をそむけながら、座るようになだめた。
「湊川リサの両親には、兄弟姉妹はおらへんねん。ふたりとも、一人っ子っちゅうわけや。せやから、必然的に、親戚のおじさんもおばさんもおらへん」
血の気の引いた顔で、レンはパイプ椅子に崩れ落ちた。
「…じゃあ、前田っていうおっさんは誰なんだよ」
「それもこっちで調べてみる。特徴は?」
「…ははっ」
レンは呆然と天井を見上げて、薄気味悪く笑った。
「おい、城田!」
「キズ…」
「え?」
「左の首筋にでかい傷跡があった、こんな感じの」
そう言って、彼は指で首筋を上から下へとなぞった。途端に桜井の顔が険しくなる。
「それはほんまか?」
「あのさ…嘘ついてどうすんだよ。早く探してくれよぉ…あのおっさん。あいつにそそのかされて俺は…」
泣きながら、訴えてくるレンに桜井は言った。
「でも、あんたにも動機があるんちゃうか。新明のことを憎んでたんやろ?それも相当な。
あんたの部屋から、新明の写真がみつかったんやけど、それには針を刺したような穴がいっぱいあってな。特に目の部分に集中しとった」
亮二の目。
そう言われて、レンの脳裏にあの時の目が蘇った。
あれだけの血を流しながら、それでも立ち上がったあの男。
恐怖だった、この上もなく…
「あ…あ…わぁ!!!」
奇声をあげながら、レンはいきなり机に頭を打ち付け始めた。
「おい、やめんか!!」
捜査員が必死で彼を羽交い絞めにする。
「あ、あああ!!」
「嘘だろ!嘘に決まってる!」
唾を飛ばしながら、彼は叫ぶ。
「言ったんだよ、あのおっさん!自分はリサの叔父さんなんだって!」
桜井は飛んでくる唾にやや顔をそむけながら、座るようになだめた。
「湊川リサの両親には、兄弟姉妹はおらへんねん。ふたりとも、一人っ子っちゅうわけや。せやから、必然的に、親戚のおじさんもおばさんもおらへん」
血の気の引いた顔で、レンはパイプ椅子に崩れ落ちた。
「…じゃあ、前田っていうおっさんは誰なんだよ」
「それもこっちで調べてみる。特徴は?」
「…ははっ」
レンは呆然と天井を見上げて、薄気味悪く笑った。
「おい、城田!」
「キズ…」
「え?」
「左の首筋にでかい傷跡があった、こんな感じの」
そう言って、彼は指で首筋を上から下へとなぞった。途端に桜井の顔が険しくなる。
「それはほんまか?」
「あのさ…嘘ついてどうすんだよ。早く探してくれよぉ…あのおっさん。あいつにそそのかされて俺は…」
泣きながら、訴えてくるレンに桜井は言った。
「でも、あんたにも動機があるんちゃうか。新明のことを憎んでたんやろ?それも相当な。
あんたの部屋から、新明の写真がみつかったんやけど、それには針を刺したような穴がいっぱいあってな。特に目の部分に集中しとった」
亮二の目。
そう言われて、レンの脳裏にあの時の目が蘇った。
あれだけの血を流しながら、それでも立ち上がったあの男。
恐怖だった、この上もなく…
「あ…あ…わぁ!!!」
奇声をあげながら、レンはいきなり机に頭を打ち付け始めた。
「おい、やめんか!!」
捜査員が必死で彼を羽交い絞めにする。
「あ、あああ!!」