はぐれ雲。
「俺には俺の愛し方がある」

きっぱりと揺るぎない気持ちそのままに。

「たとえそれが君の望む愛し方じゃなくても、俺は変えるつもりはない。だから君は受け入れるしかないんだ」

「……」

「さあ、食べるんだ」

博子は達也に促されて、ゆっくりとカレーを口に運んだ。

「どう?」

不安げな顔で達也がのぞきこむ。

「うん…おいし…」

ぽろぽろと彼女の瞳から、涙が転がり落ちた。

「おいしいわ…」

もう一度、博子は言った。

「だろ?カレーのルウって、もう味が決まってるんだから。下手に手を加えないで、こういう味なんだって受け入れて食べるのが一番なんだよ。かっこつけていじると、かえって…ぎくしゃくするもんなんだよ、博子」

「……」

「わかった?」

「そうね、そのままが一番おいしいのよね、きっと…」

達也は笑いながら博子の額を指で弾いた。

「もうつまんないこと言わないでくれよ」

「…ごめんなさい」

あれ以来、初めて彼女が心から笑ってくれた気がして、達也も少しホッとした。

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