ハルアトスの姫君―君の始まり―
「…ホント人がいないもんなぁ…。
ばったりキースに会うとか…有り得ないな、ホント。」
そんなことを呟きながら一人、この3日で歩き慣れた道を歩く。
不意に視界に王宮が飛び込んできた。
どこか人を寄せ付けない雰囲気を漂わせた虚無の城がそこにある。
ふと、クロハの仮説が頭をよぎる。
『なぁ、ジア。
お前とミアは…王家の人間じゃないのか?』
―――そんなはずはない。
そんなでき過ぎた過去が自分にあるわけがない。
17年間、ただの村娘として生きてきた。
守るために剣を覚えた。
生きるために剣を捨てなかった。
そんな自分が…姫?
ガラじゃないなんて自分が一番よく分かっている。
「…そんなはず、ないよ…クロハ。」
そう呟いた時だった。
王宮を見上げて佇む、とても見慣れた姿が目に入る。
明るいブラウンの短い髪が少しだけ風に靡いて優しく揺れる。
焦げ茶色の瞳に見つめられた過去を思い出す。
「…キース…?」
ばったりキースに会うとか…有り得ないな、ホント。」
そんなことを呟きながら一人、この3日で歩き慣れた道を歩く。
不意に視界に王宮が飛び込んできた。
どこか人を寄せ付けない雰囲気を漂わせた虚無の城がそこにある。
ふと、クロハの仮説が頭をよぎる。
『なぁ、ジア。
お前とミアは…王家の人間じゃないのか?』
―――そんなはずはない。
そんなでき過ぎた過去が自分にあるわけがない。
17年間、ただの村娘として生きてきた。
守るために剣を覚えた。
生きるために剣を捨てなかった。
そんな自分が…姫?
ガラじゃないなんて自分が一番よく分かっている。
「…そんなはず、ないよ…クロハ。」
そう呟いた時だった。
王宮を見上げて佇む、とても見慣れた姿が目に入る。
明るいブラウンの短い髪が少しだけ風に靡いて優しく揺れる。
焦げ茶色の瞳に見つめられた過去を思い出す。
「…キース…?」