ハルアトスの姫君―君の始まり―
あとがき
やっと…終わりました…。
大変長らくお待たせしました。そして最後までお付き合いいただき本当にありがとうございます。これにて完結です。
根気強く本棚に入れて下さった皆様には感謝以外の何を伝えたら良いのか分かりません。本当にありがとうございました。


書き始めたらがーっといくのですが煮詰まってしまうと終了のお知らせな私にとっては、今作は非常に難しい子でした。でも書き上げてしまうと色々思うこともあるというか…もっと掘り下げれば良かったかな、とも思っています。ですがひとまず、ここで終わりたいな、と。


最初はジアの成長をメインに書きたいと思っていたのですが、こうして書き上げて蓋を開けてみるとほとんどキースの成長物語になってしまったような気がしないでも…ないよ?
でもジアも他人に大きな影響を与えるくらいに強く逞しく成長したのだと思っています。結果的に二人の成長を描けたことに満足しています。


書きたいことが多すぎて散漫している印象が否めない今作ではありますが、主軸となっているのは『強さ』『多様性』『戦いの意義』ですかね。
特に『多様性』については人間と魔法使いとそのどちらにも属さないものという3カテゴリーにそれぞれ対応するキャラクターがおり、特にそのどちらにも属さないキースと、呪いによって属せなくなったジア、ミアを描くことができたことが個人的に非常に大きかったです。


自分と違うものを排除する思想って人間関係の中に多々あると思うんですよね。でもそれって相互理解が図れてないからだと私は思っていて、とは言っても必ずしも相互理解が図れるなんてもちろん思っていないのですが。
で、す、が、そう考えてしまうとなんだか虚しいなぁと思う自分も否めず、だからこそ言葉を尽くして理解を深め、距離を縮めていくことはできると思いたいんですよね。完全な理解は無理でも、歩み寄ることはできると思いたい。あくまで願望ですが。
だから終わり方もあんな感じなんです。
これからジアとキースはたくさんの壁にぶち当たる。だけどその壁をどう乗り越えていくかは私にも分からないし、その全てを語るには時間がかかりすぎる。そんな簡単にどうにかなる話じゃないので。
だから未来への展望を描きつつ、最後までは書けない。逃げみたいですが、現状で私の限界です。


さて、真面目な話はこのくらいにしますね。
自分で書いてて何言っちゃってんのこいつーみたいな気持ちになって来たので。


では、色々と語りましたがこの『ハルアトスの姫君―君の始まり―』の中で一つでも読んで下さった方の心に残る言葉、シーンがあれば幸いです。
また別の作品で出会えるととても嬉しいです。


2012.10.18
春風 夢海


→続きにはおまけのあとがきとしてキャラやエピソードについてもっとテンション高く綴っております。興味のある方はどうぞ!

< 405 / 424 >

この作品をシェア

pagetop