【完】風に恋をする。
「なんで…っ。だって、さっきまで普通に…」
「普通じゃなかったよ」
言ったのは…佳織だった。
「なんか…あたしに気まずそうな顔してたし、すごい…泣きそうだった」
「…」
「なんか…あった、んだと思う…」
佳織がてんぱっているのがわかる。
「…ッ」
「…野原さんの外出許可を出したのは、人との関わりを大切にして欲しいのと、外の広さを知って欲しかったからだ。風馬くんと健くんが来た時以来、彼女の体の具合は絶好調だった。
理由は…心だ」
「…ぇ…」
「人の具合は、心の調子で大きく変わる。
良いときは幸せなときだし、悪いときは何か不安があるときだ。
彼女の心に何か、不安が出てしまったようだな」
「…」
不安…?
なんだ…考えろ、考えろ。
俺たち、のこと…?
大会が近いから??
…違う。
俺たちの事なんだろうけど…何か、引っかかるんだ。