朝が待てなくて
歩きながら樹は少しだけ困った顔をした。
「ちょっと照れくさいんだよな」
「え?」
「前は真琴、子供子供してて危なっかしくてさ、何の抵抗もなく手をつなげたのに」
「え、今は?」
「何か……エロいおっさんになった気分」
そ、それはどういう…?
女として意識してしまう、ってこと?
彼の大きな手がすっぽりとわたしの手を包み直した。
温かい手――
それっきり樹は何にも言わなくて…
鬱蒼とした森の中を二人で黙って歩いた。