幻獣のタペストリー ~落ちこぼれ魔導士の召喚魔法~
とろけるような甘さが広がっていく。


「……あにこで?」

あたしは口をモグモグさせながら聞いた。


「蜂の巣のかけらだ。苦みが消えるだろう?」


うん

本当だ


ホッとしてため息をつく。

ホークは手にした小さな広口瓶から、もう一かけらをつまみ上げてあたしの口に放り込んだ。


「おいしい」


「まったく手間のかかる奴だな」

ホークは小さく笑いながら言った。

「横になれ。吐いてしまっては何にもならん。薬が効くまでもう少しかかるだろう」


あたしは、言われた通り横になった。

ホークが毛布を掛け直してくれる。


「ホーク」


「何だ?」


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