飛べない黒猫
「俺は、生まれてきてよかったのか…」
真央の腕の中で、蓮がつぶやく。
真央は、ぎゅっと抱きしめ答える。
「蓮が…生まれてくれて…よかった。
出会えて…よかった。」
蓮は、ゆっくりと真央から身体を離し、彼女の両肩をしっかりと掴む。
下を向いたまま大きくうなずいて言った。
「…うん…ありがとう。」
少しの沈黙が続いた。
蓮は、真央の両肩に手を当てたまま、下を向いている。
「俺もだ…。
6年前のあの日、真央が無事でいてくれて、よかった。
今、俺のそばにいてくれて…よかった。」
蓮は顔を上げて、真央を見つめて言った
「真央の声が聞けてうれしい。
君の言葉で救われた。
話してくれて…ありがとう。」
今度は真央は視線を落とし、しばらく黙り込んだ。
長いまつげが、まばたきで揺れる。
「蓮に…伝えたかった。
真央の、気持ち…
どうしても。
そしたら、喉から…言葉が出たの…。」
「…喉?」
「うん…いつもね、頭の中では…言葉は出るの。
でも…話そうとすると、喉が動かない…」
「動かない?」
「…うん。
喉が詰まるの。
お母さんが、刺された時から…ずっと…。
喉が、詰まって…
苦しく…なる…の。」
真央の目から、大粒の涙がポロポロ流れる。
真央の腕の中で、蓮がつぶやく。
真央は、ぎゅっと抱きしめ答える。
「蓮が…生まれてくれて…よかった。
出会えて…よかった。」
蓮は、ゆっくりと真央から身体を離し、彼女の両肩をしっかりと掴む。
下を向いたまま大きくうなずいて言った。
「…うん…ありがとう。」
少しの沈黙が続いた。
蓮は、真央の両肩に手を当てたまま、下を向いている。
「俺もだ…。
6年前のあの日、真央が無事でいてくれて、よかった。
今、俺のそばにいてくれて…よかった。」
蓮は顔を上げて、真央を見つめて言った
「真央の声が聞けてうれしい。
君の言葉で救われた。
話してくれて…ありがとう。」
今度は真央は視線を落とし、しばらく黙り込んだ。
長いまつげが、まばたきで揺れる。
「蓮に…伝えたかった。
真央の、気持ち…
どうしても。
そしたら、喉から…言葉が出たの…。」
「…喉?」
「うん…いつもね、頭の中では…言葉は出るの。
でも…話そうとすると、喉が動かない…」
「動かない?」
「…うん。
喉が詰まるの。
お母さんが、刺された時から…ずっと…。
喉が、詰まって…
苦しく…なる…の。」
真央の目から、大粒の涙がポロポロ流れる。