飛べない黒猫
家から出たがらないと聞いていたので、もっと怖がるのかと思っていたのだが、意外なほどスムーズに近所の散歩を楽しむことが出来ている。
真央は落ち着いた様子で、窓の景色を眺めていた。
膝の上のクロオは、車の排気音と振動が気に入らないらしく、そわそわしている。
車に乗って間もなくはニャアニャア鳴いていたのだが、さすがに鳴くのも疲れたらしく少し前から大人しくなった。
交通量の少ない、なるべく静かな住宅街を選んでドライブコースを決めた。
コンビニは近くにあるから、そこで買えばすぐなんだけど…
せっかくだし。
10分ほど走った所にあるホームーセンターまで足を伸ばした。
もう、まもなく到着。
「コピー用紙2冊買うんだけど…
他に何か要る物あるかい?」
真央は首を横に振る。
「ちらっと、一緒に見に行く?店の中…」
しばらく考えて、やはり首を横に振った。
無理はよくない。
今日はドライブだけでも上出来だ。
「じゃあ、俺、用紙買ってすぐ戻るからね。
車のドアーロックしておくよ、いい?」
クロオを抱きしめうなずいた。
明らかに様子がおかしい。
顔色も、一気に青ざめてきた。
「怖い?
1人でいるの不安なんだね?
…いいよ、買い物は後でまた来るから。
今はドライブにして…
そうだ、もう少しぐるっと回って帰ろうか。」
思いっきり首を振る。
買いに行けと言ってるのだ。
どうしたらいい。
…駄目だ、ここで怖い思いさせたら逆効果だ。
今日はこのまま帰ろう。
涙目の真央は、ゆっくり深呼吸を始めた。
片腕にクロオを抱き、もう片方の手で首にさげたムーンストーンを握っている。
真央は落ち着いた様子で、窓の景色を眺めていた。
膝の上のクロオは、車の排気音と振動が気に入らないらしく、そわそわしている。
車に乗って間もなくはニャアニャア鳴いていたのだが、さすがに鳴くのも疲れたらしく少し前から大人しくなった。
交通量の少ない、なるべく静かな住宅街を選んでドライブコースを決めた。
コンビニは近くにあるから、そこで買えばすぐなんだけど…
せっかくだし。
10分ほど走った所にあるホームーセンターまで足を伸ばした。
もう、まもなく到着。
「コピー用紙2冊買うんだけど…
他に何か要る物あるかい?」
真央は首を横に振る。
「ちらっと、一緒に見に行く?店の中…」
しばらく考えて、やはり首を横に振った。
無理はよくない。
今日はドライブだけでも上出来だ。
「じゃあ、俺、用紙買ってすぐ戻るからね。
車のドアーロックしておくよ、いい?」
クロオを抱きしめうなずいた。
明らかに様子がおかしい。
顔色も、一気に青ざめてきた。
「怖い?
1人でいるの不安なんだね?
…いいよ、買い物は後でまた来るから。
今はドライブにして…
そうだ、もう少しぐるっと回って帰ろうか。」
思いっきり首を振る。
買いに行けと言ってるのだ。
どうしたらいい。
…駄目だ、ここで怖い思いさせたら逆効果だ。
今日はこのまま帰ろう。
涙目の真央は、ゆっくり深呼吸を始めた。
片腕にクロオを抱き、もう片方の手で首にさげたムーンストーンを握っている。