新撰組恋絵巻(完)
そしてまっすぐ近藤さんの瞳を見つめながら話を切り出した。
……全てを聞き終えた近藤さんはいつもより低い声で私の名を呼ぶ。
「西崎君。君も色々苦労してきたんだね」
第一声が疑いの言葉ではなかったことに若干戸惑ってしまう。
この反応は予想外だ。
「近藤さん、今の話…信じてくれるんですか?」
「もちろんだとも」
総司に話したときも思ったけれど、ここの人達は疑うということを知らないのではないかと心配になる。
もしかしたら私が嘘を言っているかもしれないのに…。
「近藤さんは器が大きいからね。誰かさんと違って」
私の内心を見透かしてか総司が笑顔で言った。
ちなみにその誰かさんとは言うまでもなく土方さんのことだろう。
「西崎君、何も不安に思う必要はないぞ。俺達は君を追い出すなんてことはしないさ」
「……はい」