Mind of ice

待ち伏せ

抱きついていたリーナをやっと引っ剥がすと、やれやれと息を吐くデイル。

「お前、性格違いすぎやしないか?」

出会った時は、年齢にそわない雰囲気を出していたが、今そこにいる人物はあまりにも違っていた。

「これが、あたしの本性なの。」

そう言ってニコリとする。
その行動を見たデイルは、重いため息を吐いたのであった。

「変な気を起こすなよ。」

そっと寄ってきたセリアに小声で囁かれ、奮起したデイルから笑いながら離れ、リーナの後ろに隠れた。

「ったく。」

そんな2人を見ながら、先が思いやられると思いつつも、この状態が楽しいと心の隅では思っていた。

「さて、そろそろヤルマの近くにいる預言者に会いに行くか。」

そう言って2人を呼ぶ。

「じゃ、まずは森から出ましょう。」

そうリーナが言うと、入ったときと同じ詠唱を唱え始めた。
詠唱後、光と共に森の外に移動した。

サリトの森からヤルマまではさほど離れておらず、幾時間後には工場都市ヤルマに到着した。
流石は工場都市だけあり、人々が活気にあふれていた。
そんな中、デイル達は腹ごしらいと、今後の行動の打ち合わせをするため、個室が設けてあるレストランに向かった。

それらしきレストランを見つけ中に入ると、傭兵とは無縁の店らしく、デイル達を眺める客が多かった。中でも、セリアとリーナが2人並ぶと華やかで、それだけでも男なら目線がゆくだろう。

お店の定員に個室を依頼して案内されるまで、2人はかなりジロジロ観察されたらしく、個室に入るなりセリアは嘆いていた。
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