吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
「鼻が利くね」
ガンマと名乗った吸血鬼が感心する。
「ということはおまえが標本か」
「標本?」
ガンマが眉を寄せた。
「標本というのは学習用の実物見本のことを言うんだ」
アルファが笑って小馬鹿にする。
「標本の意味くらいはわかります。しかし、私が名乗ったのにもかかわらず標本と呼ぶ理由がわからなくてね」
ガンマは白い歯を見せて余裕のあるところを見せたが、目つきは険しい。