吸血鬼は淫らな舞台を見る episode ι (エピソード・イオタ)
「その必要はないし、君に命令される覚えもない」
中折れ帽の男は耳を貸さず、黒い鞘から日本刀を抜き取る。
「しかし……」
「この世に悪魔的な象徴はひとつだけで十分」
日本刀の刃が鈍く光り、中折れ帽の男は同情なんて言葉を一切知らない様子で、片手で一気に振り下ろす。
イオタは自分の最期がこんなにも呆気ないものなのかと信じられず、目を大きく開いて見届けた。
次の瞬間、日本刀はガツッとサブマシンガンに当たる。
イオタの首を通過するはずの軌道はイレギュラーし、後ろからサバイバルナイフを突き付けていた隊員の首をはねた。