shining☆moon‐私の王子様‐


「…フレン」


私の心が私自身を拒否するかのように、思い込みたいことを跳ね返し、本当の事を飲み込む。
フレンを嫌う事で自分自身を落ち着かせようとしたり、逃げようとしたり、有利にしてきた。
自分を守るような嘘。
保身の嘘をついていたんだ。

そんな自分が怖い。
表面だけの自分がとても無力に感じた。


私…これからどうすればいいの?


『気持ちわるい』
あの言葉が頭によぎる。
思い出す度に、胸が酷く高鳴って悲しさと切なさが一気に襲いかかる。
大好きな人に言われた、私の心を壊す言葉。
フレンはどんな気持ちで私に言ったの?


「……っ…」


ユリアはハッとして赤く腫れた目を開いて立ち上がり廊下を走った。
長い長い、廊下を。


扉。
扉。
扉………!!


ユリアは草原に続く扉の方へ走る。


さっき、あの女性は私が自分自身と向き合うためにここにきた、と言ってた。
今、私は自分と向き合いたい。
だから扉はあるはず。


カーペットに少しシワがあってユリアはそのシワに引っかかり、前に倒れるように転んだ。


ザッ…―


「…ったぁ…」


痛かったけど、フレンにつけられた傷の方が痛かった。
傷口に針が刺さったように。

ユリアは立ち上がりまた走り出した。

フレンを想いながら。

走りながらかすかに痛むひざと心の傷。
心の傷の深さはきっと、今までフレンを想っていた私の気持ちの深さだ。


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