shining☆moon‐私の王子様‐
~~ユリア.said~~
「んぅ……う…」
走って行った先は不明。
ただ長い廊下をさ迷う。
嫌われた。
完全にわかる事。
だって『好きじゃない』って言われたし、『気持ちわるい』って言われたんだから。
ユリアはその場に崩れ込んだ。
赤いカーペットに少しシワがつく。
涙が落ちて、赤いカーペットがさらに濃い赤色に変わる。
ユリアは壁に頭をつけ、下を向く。
心が痛い。
砕け散ったパズルのピースが1つ1つ消えていく。
頭の中にはフレンが映る。
幸せそうに笑う顔。
切なそうに泣く顔。
眉間にシワを寄せて怒る顔。
半開きの目で凛とした顔。
全てが愛しい。
そして、
『ユリア』
こう呼ぶ。
呼ばないで。
触れないで。
微笑まないで。
優しくしないで。
期待しちゃうじゃん…。
頭から離れてよ…。
…お願いだから……。
『ユリア』
呼ばないで。
『大丈夫』
優しくしないで。
『好きだよ』
……止めてよ…。
「…嘘…つき……」
震える声で呟いた。
泣いても泣いても枯れない涙。
抜けていく身体の力。
フレンしか考えられない頭。
こんなの嫌だよ。
『好きだよ』
私の中で言い続けるフレン。
嘘つき…。
さっき好きじゃないって言ったくせに。
気持ちわるいって言ったくせに。
これ以上私を壊さないで…。
フレンが私を好きじゃないなら私は諦めなきゃいけないの…?
『好きだよ』
…嫌い。
『好きだよ』
…嫌いなの。
『好きだよ』
…大嫌いだよ。
『無理だよ』
…え?
頭の中のフレンは凛とした顔で言う。
『ユリアは俺を嫌いになれない。だって…』
頭の中のフレンは優しく微笑んだ。
『ユリアは俺が好きなんでしょ?』
ぽた…―
ぽたぽた…―
重くて熱くい涙が落ちていく。
「…どうして……どうして…」
嫌い。
そう想いたいのに。
フレンを想う“好き”が消えてくれない。