shining☆moon‐私の王子様‐


「猫ゆうな、ってお前猫だろ」

ラデイーさんは控えめに笑い、猫を見下ろしていた。
私はそんなラデイーから目を離すことができなかった。
トクンっと胸が鳴るのがわかる。
フレンの時程では無いが確かに私はラデイーさんの笑顔にときめいていた。

いけない、いけない。
私は首をブンブン左右にふり、我にかえる。

そんな私をラデイーさんは不思議そうに見る。
胸元の猫がサッと離れ、地面に着地する。

「俺は猫じゃない!ヴィンセントのパートナーだ」

すると猫はフレンとぶつかり合うヴィンセントを見た。
なぜだか不思議だけど、ヴィンセントも猫のことを見てフッと笑いフレンとの隙を見て指をパチンと鳴らす。
その行動に私は呆然とすることしか出来ない。

私の目の前の猫が喉を鳴らして気味悪く笑った。

「俺の正体を教えてやる」

「…正体…」

猫の正体?
なんだろう。
猫は猫なのに。

猫な周りを黒い影が覆った。
その影はまるでボールのようで、表面がつやつや輝きを放つ。

「伏せろ!」

「!!??」

ラデイーさんの凛とした声が私を我に戻した。
私はラデイーさんの言う通り伏せようとしたが、伏せる前にラデイーさんが私を抱き、その場を離れるように後退りする。

トクンと私の鼓動は音を鳴らす。
まただ、と私は思い、必死に考えることを打ち消す。

今は考えている時間はないんだと自分に言い聞かせ、猫をただ見詰めていた。

すると猫の周りを囲む黒い影は跳ね返るように強風を纏い、消えていく。

「…ん」

あまりの強風に私は目を瞑る。
地面に横たわる、ルイスとレオとクロードは押されて地面を削る。
跳んでくる砂が肌に当たって痛い。

強風は嵐のように一瞬で、虚しく終わりを告げた。
私は、目を開けて周りを見回す。

「…え…」

目の前にはさっきまでいた猫は姿を消し、背の高い男の子が立っていた。
その男の子には黒い尻尾、頭には2つの猫耳。
そして口の中には猫特有の尖った歯が。


「嘘、でしょ…?」

「嘘じゃないよ」

男の子は私の言葉に答えるように言った。



「俺はヴィンセントのパートナー、デュークだ。正真正銘、さっきの黒い猫だよ」




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