shining☆moon‐私の王子様‐
二文字の言葉
~~ユリア.said~~
あの夜、何が起こったのか自分でもよくわからない。
目が覚めたら横にはフレンの綺麗な寝顔。
私はドクンドクンと胸が鳴り、赤面してしまう。
さっと起き上がって見ると、手をつけたところが濡れていた。
昨日の夜濡れたままベッドにきたから濡れたんだろう。
私はフレンにバレないように赤のチェックのワンピースに着替え、部屋を出た。
「あ、ユリア。おはよう」
廊下にはレオがいた。
きっとフレンを起こしに来たのだろう。
「おはようっ!」
私は走ってルイスのいる公園に向かった。
だって今日はルイスとお買い物だからね。
――遡ること、昨日――
「ねぇ、ユリア」
「なあに?」
ルイスの部屋に来てお話し中。
「もうすぐクリスマスよ」
「あぁ、確かに」
「なによ、その反応」
だってクリスマスだからって何?
なんかする事だってろくにないのに。
ルイスは私をまじまじと見つめるとニコッと笑った。
「私、フレンにクリスマスプレゼントあげるの!」
「クリスマスプレゼント?」
クリスマスプレゼント…か。
何だろう。
何故か温かく感じる。
ルイスはフレンにあげるのか。
じゃあ私はレオにかな。
「クリスマスプレゼントってのは、大切な人、つまり想い人にあげるものなの。聖なる夜にプレゼントをキャンドルツリーの目の前で渡すと絶対に結ばれるって説もあるの」
「キャンドルツリー……」
「あ、キャンドルツリーはエルランドを出てすぐ近くにある大きな木のこと。クリスマスイヴになると何故かキラキラ輝くのよね」
なにかとすごいな…。
その木。
「いいよ。明日、買いに行こうよ。クリスマスイヴは1ヶ月もないんだよ?行こうよ」
「そうこなくっちゃ!」
―――――――
と、いうことで。
私は今、公園に向かって走っている。
冷たい風が頬にあたって痛い。
気候はすでに冬に進んで、みんなクリスマスの用意に取りかかる。
クリスマスプレゼント…。
フレンがもらって嬉しいものは何だろうか。