君桜



「なんだ!?どうした!!」


…あ…。


音と悲鳴を聞いた白衣を着た若い男の人が慌てて入ってきた。


「…すいません。うるさかったですね」


とりあえず、謝っとこう。


頭を下げると、その男の人がニカっと優しそうな笑顔を浮かべた。


この人、絶対、イイ人だ。


「目ェ覚めたんだね!!イヤ、良かったー。熱高かったし肺炎になる直前だったよー。もう、無理しちゃだめだよー?」


「……はい」


ちょっと待ってよ?


今、この状況であたしなんかの心配とかしなくていいから!!


とりあえず、後ろ見て!


後ろを見てください!!


ホラ!


学さんが今にも殴りかかりそうな勢いであなたの病院に勤めている看護師さんを睨んでるんですよ!!


あたしの視線の先に気付いたその人は、そっちにやっと目を向ける。


「あーあー。壊さないでくださいよー、学先輩」


「…おい、テメェんとこの看護師、教育がなってねぇなぁ。目の前でコイツが過呼吸起こしてんのによぉ、ベラベラとしゃべり続けてんだぞ。コラァ」


チラッと看護師のほうを見ると、今にも倒れそうな顔面蒼白で突っ立っていた。


「……ぁんだと?おい、テメェ…」


あ、あら?


さっきの人と別人!?


さっきまであたしに優しそうな笑顔を浮かべてくれていたこの人が今、物凄い形相で看護師を睨んでいる。



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