君桜
「葉奈、ついたぞ」
気がつけばあたしは寝てしまっていたらしい。
学さんがあたしの肩を揺すってる。
ああ、そんな揺すんないでよ学さん。
ハッキリとした視界に入ってきたのはマンション。
エレベーターに乗って最上階、つまり学さんの部屋に向かった。
「はーなー!!」
「キャー!!学さん、こっち来ないでェ!!」
今、あたしは学さんから一生懸命逃げてるところ。
「頼むから!!熱上がるから、葉奈!」
珍しく見るような学さんの本気で焦った表情。
「もー、ヤダぁ!」
何であたしがこんなにも必死に学さんから逃げているかというと…、
「薬飲まねぇと治らねぇよ!」
そう。
学さんはあたしの後ろを薬を持って追いかけてきているのだ。
大きくてふかふかのソファの上に乗る。
学さんの手をギリギリでしゃがんで交わした。
薬、苦いから嫌いだもん。
飲みたくなーい。