君桜
誰かに助けてと言えるなら。
誰かに助けてと叫べるなら。
あたしはとっても救われるのに。
とっても…救われるのに。
「葉奈!!」
ビクッと体が必要以上に反応する。
「酒がねぇ!!お前、どこに隠したァ!!」
「……ッ」
部屋に男が入ってくる。
酒の瓶を持ちながら。
「やっぱりお前が隠したんだなァ!?どこにやったァ!!」
一方的に言葉をぶつけられる毎日。
もう、こんな生活は5年も続いている。
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