水恋

「何だ?装飾でもやぶれたのか?」

その時、客達の声が少しずつ近づいてくる。

「…お前、やっぱ似合うな、着物。………よし、これなら客も来る」

最後に何か、ボソッ、と言ったのが聞き取れなかった。

結局なんで呼ばれたの。

…それよりも私は、隣からとっても熱い視線を感じるのだけど。

そこには、浴衣女子の軍団がいた。

「…えっ、えと…どうかした?」

「ううん、何もないよ」と一人がごまかし笑い。

じゃあ、その熱い視線は何故こんなにびんびん来るのだろうか。

その時だ。他校の女子生徒が走って来た。

「あっ、あったよ!!喫茶店!!」

「本当だ!アレでしょ、微笑みのプリンスがいるところ!!!」





「…………。」


一体それはどこまで広まっているんだ。
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