水恋
「ちょ、何、あの執事!めっちゃ、優しいじゃん!」
「あのメイドも可愛いな、おいっ!」
「執事とメイドの絡み、ヤバいね!!!」
そして、廊下の通行人の半分以上が、模擬店の列に並んだ。
とりあえず、ガラスの入ったちりとりを、ゴミ箱に捨てる。
ついでに私は耳は閉ざす。
「木ノ下君だって、あの子」
「かっこいいよね、しかも、優しいし」
「あぁいう男子、憧れるよね、彼氏とかにするのに」
「確かにぃ。うち、木ノ下君みたいな子と結婚したい」
聞こえない。私には何も聞こえない。
ゴミを捨て、何かのときのために、ゴミ箱の横にほうきとちりとりを置く。
「注文、お願いしたいんだけど」
後ろから男子の声が聞こえる。
まぁ、メイドが相手すれば良いか。
私は無視しようとした。
「同姓のお客でも注文を無視するのは執事として失格だと俺は思うけど」