水恋
「樋口先輩!?」
ぎょっ、として私は後ろを振り向いた。
「何でいるんですか!?」
「何でって…俺だって、学院祭を楽しみたいからね」
「……。仕事は?」
「俺のところは、演劇で、午後からの講演だから。」
「ふうん」
「普通そこだったら、役何するの?とか聞くもんだけど」
「興味ないです」
即答する私。だって、興味なんてない。特に、このヴァンパイア様の樋口先輩には。
「そうか。にしても、メイドにはあんな大口を叩いていたわりには、俺には随分とお粗末な対応だね。ご主人様て言わないの?」
「何で、血も涙もない先輩に『ご主人様』なんて奇麗な言葉を使わないといけないんですか」