水恋
「ちょ、何よ」
一番積極的に、私にすり寄って来た女子が明らか気に食わない顔をする。
王子様のようなタイミングでやって来た樋口先輩は言った。
「俺の弟に気安く触らないでいただきたいんだが」
「「はっ?」」
思わず私と怒っている女子と声がハーモニーする。
弟、て誰よ。いつ私が、血も涙もないお兄ちゃんを持ったのよ。
「悪いね。李津は、お兄ちゃんの俺といないと不安なんだよ」
「「………」」
そして、絶句する私と怒っている女子。
ね、この人、頭大丈夫なのかな?
病院にでも行った方が良いんじゃない?
「もう良いや。なんか、変人来たし」
白けた様にそういうと女子達は、近くの階段を降りて行ってしまった。