前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―


「言ってくれたら良かったのに」


『玲お嬢様はわざと御教えしなかったのです。
あ、意地悪とかの意味合いではなくてですね、お嬢様も当初は招く予定でチケットは用意していたのです』


しかし空さまの過密スケジュールをお気にされてしまい、公演を黙っていたのです。

お嬢様自身、これからも公演はあるからと仰いまして。

空さまにはご自宅で休まれて欲しいと……、しかし旦那様も奥方様も私自身も、是非空さまに公演を見てもらいたいのです!

なによりも空さまとお嬢様がより親密な関係になって頂くために!

蘭子は早くお二人の子供を見とうございます。

性別など気にしません。


お嬢様の子を腕に抱く。


これが蘭子の夢なのです!

ご理解頂けるでしょうか、空さま?!


……ッハ、私としたことが、つい本音を!


コホン。

旦那様が空さまのスケジュール調整を行うと申しておりました。

来週一週間は家庭教師を二日に抑える予定です。
ご体調のこともございますし、ハードな日々に心労も溜まる一方でしょう。

土日は家庭教師がなくともアルバイトをされていますし、リフレッシュできるとも思えません。

なので考慮させて頂くと仰っていました。


どうでしょうか?

折角の休日をゆっくりお休みになりたいかと思いますが、お嬢様の舞台を観ては下さらないでしょうか?



『お嬢様も空さまに舞台を観てもらいたいと思うのです。それはそれは空さまを想いながら練習に励んで』



と、止まらないな蘭子さん。
 

俺が言う隙なんて与えさせてくれない。


どれだけお嬢様が心待ちにしていたか、どれだけ毎日熱心に練習をしていたか、スケジュール調整をしたから日曜はお出掛けして欲しいエンドレス。


もはや止まる術を知らない。

合間合間に子供を抱く夢を語ってくださる。

いや、期待されているのは分かるけど、そりゃちょっと早いんでないっすか? 蘭子さん。俺達まだ学生っす。
 


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