サクラドロップス
そう言ったアタシの瞳は、潤んで、いたのだろうか・・・
ツバサくんは一瞬だけ、切なそうに綺麗な眉を歪めると
「そっか・・・」
と、言って、そっとアタシの肩を抱き・・・
「足、治まった?大丈夫なら、ゆっくり、歩いて帰ろっか。サクラが待ってる」
と、優しい笑顔を見せてくれた。
アタシはコクリと頷いて、ツバサくんの手を借りて歩き出す。
「痛かったら、おぶって帰ってもイイし。あ、なんならお姫様抱っこでも」
「・・・いい。歩いて帰る」
このまま、ゆっくり、できる限り、ゆっくりと
2人で、並んで歩きたい。
「うっわ、ソッコー拒否されたし!」
クスクスと笑いながら、ツバサくんは繋いだアタシの手に、ギュッと力を込めた。
『うん。大丈夫、解ってる』
まるで、そう答えるみたいに・・・