疲れ切った心
「ゆ、あ・・・・」
「もう大丈夫」
珠理を落ち着かせるようにゆっくりと頭を撫でる竹下。
俺から簡単に離れ、強く、強く、竹下を求める珠理。
珠理にとっての俺の必要性はこんなもんなのかと思い知らされてしまう。
「もう独りじゃない、私が居る。大丈夫、私は何処にも行かない」
「私は、独りじゃない・・・・・?」
「当たり前でしょ。私だけじゃない。悠斗君だって海だっている。夏蓮だって玲奈だって。だから安心しておやすみ」
竹下の言葉で安心したのか、珠理の目が再び開けられることは無かった。
「珠理ね?真っ暗闇になると、我を忘れて壊れるの」
説明しながら珠理の頭を枕に沈めた。
「最後のお願い。琴羽じゃなくて珠理を選んで」
自分のことかの様にお願いする竹下。
「自分勝手なこと言ってるって分かってる。でも、次珠理がこうなったら私じゃ止められなくなる。私じゃ手に負えない時が来るの」
でも俺は・・・・。
「お願い。これ以上珠理が苦しむの見てられない。自分は大丈夫だって強がって、でも悠斗君を想うと涙が出てきて、1人でこっそり泣いて・・・・・」
竹下の目から涙が零れ落ちた。
「でも私じゃあどうしてあげることも出来なくて。・・・・お願い。珠理を選んであげてよ。珠理には悠斗君が必要なの」
「でも俺は、俺は何もしてあげられなかった」
簡単に珠理は俺の手からすり抜けて行った。