ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
「俺さ、今度は優しい子がいいと思うわけ」

「……うん」

「メイちゃんってそういうタイプじゃん? オラオラ系の女の子はちょっと引くし、会社の子にガンガン来られてもねー」

「私べつにそういうタイプじゃないと思う……」


私が押しが弱いのは恋愛なんかもうコリゴリだって思ってるせいだ。

八木原くんは勘違いしている。


「八木原くんより三つも年上だし」

「あ、もしかして年気にしてるんだ? 俺、大丈夫だよ。結構年上の人と付き合うこと多いし」


店員さんが新しい料理のお皿を持ってきたから、話を聞きながら空いたお皿を片付けて入れ替わりに渡した。

揚げたてのナンコツのから揚げをくわえて、八木原くんは機嫌が良さそうに笑った。


「ホラ、そういうとこ。よく気がつくし。女の子らしいよね」

「……そういうこと言われるとやりにくいんだけど」


どう見ても私が引いてるって分かってるくせに、八木原くんはショックを受けてる様子もない。
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