ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
「あー、鍋やらなかったんですよ」


リアちゃんの一言にカクッと肩が下がった。

まるでコントしてるみたいに。


それぐらい拍子抜けした。


「や、やらなかった!?」

「あ、ハイ」

「なんで!?」

「だって二人で鍋っていうのも寂しいかなーって話になって」

「……あ、そう」


鍋をやらなかっただけで二人っきりにはなったらしい。

……なんだ。


「……あ、あの」

「はい?」

「……楽しかった?」


水嶋に迫ったの? なんて聞けない私は要領を得ない質問をもう一度繰り返した。
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