ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
「なんでそうなワケ?」

「なんでって……」

「それで満足?」

「……どういう意味?」


よく分からないけど責められている、それだけは分かる。

だけどそんな風にバカにされたように言われる覚えはない。


「周りに流されて生きて、それで満足?」

「……」

「仕事押し付けられて、男に迫られて遊ばれて、全部流されてるばっかだろ」

「……」


チクチクと棘が刺さるように痛かった水嶋の言葉が、突然ナイフになってザックリと胸を刺した。


『遊ばれた』ってハッキリ言った……。


やっぱり遊びで私と寝たんだ……。


お酒を飲んだ上での関係だから別に特別な感情があったなんて思ってない。

だけどこうして面と向かってハッキリと事実を告げられると胸が苦しくなって涙が滲んだ。
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