ラッキービーンズ~ドン底から始まる恋~
「……そ、そんなの水嶋に関係ない……っ」


言われた言葉は全部図星だった。

婚約がダメになって、仕事もなくなって……、でも自暴自棄になる勇気も前向きになる潔さも持ってない。


私にできるのは死んだように毎日を流されて生きることのみだった。


――浮気されるような付き合いしかできなかったお前が悪い。


だってお父さんだってそう言った。


私がダメなんだって。

私のせいだからって。


存在してるのが恥ずかしいような娘だから、せめてこれ以上恥ずかしくならないいようにまっとうに生きるしかないじゃない。

やっと見つけた派遣の仕事だから、面倒を押し付けられたって週末遊べなくたって仕方ないじゃない。


「水嶋には私の気持ちなんか分からないよ……っ」


何も知らないクセに。

こんな私を遊び相手に選ぶことないじゃない。


「ひどいよ……」
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